久しぶりに

日曜の夜というのは憂鬱なもので、サザエさん症候群では無いけれども普段は何となく早めに寝床に就いたりするモンなんですが、昨夜は珍しくTVを観てたりしたんですが。
そこで結構面白い特集をやってたのでエントリ化。『スタ☆メン』、なかなか面白いと思います。

35歳で夢のプロ入り…瀬川さん、目を真っ赤に

将棋界のプロ規定『26以上はプロになれない』というのを覆して異例のプロ昇格を決めた、という話。
こんな面白いこと、今年の夏頃からやってたんですな。知らんかったよ。
スタ☆メン』のVTRでは、昇格試験に出てくるプロ棋士に「横歩取りの名手」とかの通り名が付いてて『月下の棋士かよ』と独りツッコミ。そしたら千駄ヶ谷将棋会館が大写しになって、うっわ、まんま『月下の棋士』。
ご多聞に漏れず主役・瀬川さんにも『プロ殺し』という通り名が付いてたんですが、《将棋》+《プロ殺し》ってどっかで聞いたことあるなぁ…と思ったら、昔に読んだ本にそういうのがあった。
ISBN:487257043X
ご存じない方の為に、アンド自分の記憶を辿るためにwikipedia博士にご質問。

小池 重明(こいけ じゅうめい、本名・こいけ しげあき、男性、1947年12月24日〜1992年5月1日)は、愛知県名古屋市出身のアマチュアの将棋棋
士。
アマ最強と謳われ、賭け将棋で生計を立てる真剣師としても伝説的な強さを誇った。
ポルノ作家を引退して将棋雑誌「将棋ジャーナル」を発行していた団鬼六は、晩年の小池の生活の面倒を看ており、作家復帰作品に小池の破滅的な生涯を『真剣師小池重明』としてまとめて1995年に発刊。
2年後に朝日放送のテレビ番組『驚きももの木20世紀』に取り上げられて、広く一般に知られるようになった。

wikipedia 小池重明の項より。


阿佐田哲也麻雀放浪記』に出てくるドサ健やら上州虎、李億春に似て、何かの特技を生かして将棋やってるんではなくて将棋そのものが特技。それを取ったら何も残らないダメ人間、という感じに描かれている。実際、勝負師ってのはそういう生き物なんだろう。何か決定的なものを得た代償に人間としての必要な機能、例えば人を見る目だとか例えば金銭感覚とか、そういったものが完全に消失してしまっている人。
著者の団鬼六氏は、そんな小池氏を献身的に支えたパトロンであったそうだけども文中ににじみ出る対象者への愛、というのは並々ならぬものがあって少々深読みしたくもなる。
さておきこの元祖・プロ殺し、小池重明氏の華麗なる殺害歴(笑)を、先のwikipedia博士から抜粋。

  • 1980年 飯野健二(当時四段) 平手 小池○ (アマ・プロオープン平手戦 将棋世界主催)
  • 1980年 鈴木輝彦(当時四段) 平手 小池○ (アマ・プロ対抗リーグ戦 将棋ジャーナル主催)
  • 1980年 森信雄 (当時四段) 平手 小池○ (アマ・プロ対抗リーグ戦 将棋ジャーナル主催)
  • 1980年 脇謙二  (当時四段) 平手 小池× (アマ・プロ対抗リーグ戦 将棋ジャーナル主催)
  • 1980年 滝誠一郎(当時五段) 平手 小池○ (アマ・プロ対抗リーグ戦 将棋ジャーナル主催)
  • 1980年 菊池常夫(当時五段) 平手 小池○ (アマ・プロ対抗リーグ戦 将棋ジャーナル主催)
  • 1981年 田中寅彦(当時五段) 平手 小池○ (プロ・アマお好み対局)
  • 1981年 大山康晴(十五世名人) 大山角落ち 小池○ (プロ・アマ角落ち戦 朝日新聞社主催)
  • 1981年 中原誠 (名人) 中原角落ち 小池○ (プロ・アマ名人記念対局)
  • 1982年 升田幸三(当時九段) 升田角落ち 小池× (プロ・アマお好み対局)
  • 1982年 森けい二*1(当時八段) 平手 小池○ (プロ・アマ指し込み三番勝負 将棋ジャーナル主催)

因みに『平手』ってのはハンデ無しの事。通常『アマはプロに勝てる道理が無い』という事で香車落ち、時には飛車・角行の大駒落ちで対局するもの。平手打ちで負けでもしたらプロとしての沽券に関わる、という部分でこの条件で対局させた小池氏も立派だが請けた各棋士も立派だった、と思う。
しかしこの面子。特に1981年以降はド素人のワシでも知ってるビッグネームで、いずれも棋界に大きくその名を残している棋士ですな。
今回プロに昇格された瀬川さんがこれらの棋士に比肩するほどの実績を残せるかどうか、というのは甚だ疑問ではありますが

  1. アマはプロに遠く及ばない
  2. 『26歳の壁』を突き抜けた
  3. 実力は20代がピーク、精神・肉体面で以降は下り坂

と言う棋界の定石を覆した勢いで、そういった予断を振り払う姿が見たいモンですな。まずはおめでとうございます。
つか35歳の、あんな純粋な笑顔は久々に見た。そんな話。

毒殺女子高生事件に思う

番組中にあった『毒殺魔を崇拝』『椎名林檎臭がプンプンするblogの文面』『学校での扱われ様』についてはある程度webで見てて知ってたんです
がね、とにかく自己陶酔いっぷりが凄い。どう見ても既知外です。本当にありがとうございました。

まぁ既知外というのは言い過ぎなのかも知れないけども番組の中であった爆笑問題・太田の『世間の耳目を集めたい、と思ってやったんだったらお前らセンスねーよ、と言いたいですね』に10点差し上げる*2。コイツのやってる事はインスパイア(わらい)のかなり下の方だ。
もうモロパク。志村けんが日本で無名だった頃のMr.ビーンのコントをパクってたのより酷い。そんなセンスの犠牲には絶対になりたくないと思った。

んで、blogを開設して彼女の考えが衆目に触れた事は女子生徒に犯行意欲を惹起させ、そこに記された文面はほぼ椎名林檎のインスパイア(わらい)なので、各メディアは椎名林檎の露出とblogは次世代のコミュニティツールだというマンセー報道を禁止するように。
椎名林檎が居なければ、彼女は犯行に走らなかった【かも知れない】。
幼女誘拐事件とエロゲの相関性と何が違うって言うんだよ。



今宵は此処まで。

*1:常用漢字外、「鷄」の右側がふるとり

*2:ISBN:4886826040