揺れない日本語が正しいのか

たまにはNHKのニュースサイトから引用してみる、受信料未納なワシ。

慣用句 中高年に誤った理解

以下、本文抜粋。

この中で、就職活動をする学生を早めに確保する言葉として2つを示してどちらを使うか尋ねたところ、誤った使い方の「青田刈り」を選んだ人が34%だったのに対し、正しい使い方である「青田買い」としたのが29%でした。また、前の失敗を取り返そうという「汚名返上」を選んだのは38%にとどまり、誤った使い方の「汚名挽回」が44%でした。

(中略)

さらに「いい」「おいしい」「かっこいい」といった前向きな評価を強調する意味で『やばい』という言葉を使うのは10代は71%、20代は53%に上っています。また、いいか悪いか判断がつかないときに『微妙』という言葉を使うのは10代と20代でほぼ90%にのぼり、50代から60代にも幅広く浸透していることがわかりました。
(後略)

何か、ニュース原稿をそのまtextに起こした無機質な文章(笑。

ともかく。
中高年の日本語もあぶないそうだ。へぇ。

んでまぁ出尽くした議論なのかも知れませんが、平安時代室町時代から、日本語は一切変わっていないの?という話。余裕で変わってるでしょ、その時代に則した形に。
元来言葉というモノは自分以外のモノとコミュニケーションを取る為に発達してきたんだから、最も効率よくマジョリティに伝わる形に姿を変えて至極当然。だからもっとやれもっと変えろ、という印象。


とあるblogに『100人が100人とも間違えて認識している語彙、というのはそもそも“正しい使い方”なのか?』とあった。なるほど。

しかし、NHKからの引用中にあった『青田刈り』と『青田買い』の区別は比較的難易度が高いと思う。これについては『伝わるんだからいいんじゃね?』という気持ちになるが流石に『汚名返上』と『汚名挽回』ってのはどうなのかと。そんなモンを挽回してどーなる。

あぁ、伝われば良いんだっけか?自分でもその辺の基準が良く解らなくなってきた。

因みに。
じゃぁ言葉を生業とする新聞記者は、この辺の誤用を防ぐ為にどうやってるのか?
実は『共同通信社 記者ハンドブック』という便利なものがあるんですな。この中には先ほど挙げた『間違いやすい慣用句』の他に『遺体』『死体』『遺骸』とか『重傷』『重体』の使い分けやら相撲の『×綱取り→○綱盗り』などの言い換えまで網羅されてます。
ATOK版もあるとの事なので『誤用は恥ずかしい』という方は導入を検討されては如何でしょうか?
5040円、と高いけど。


閑話休題、先ほど『言葉は変わるべき』と言ったワシですが、折角の多様な表現が売りの日本語の中にあって、感情の起伏をすべて『ヤバい』『ウザい』で纏めてしまっちゃぁさすがに味気なくない?とも思う。



『遣う言葉次第で、その人の心が荒む事もあるんですよ』



蓋し名言。