合併の事(長め)。

話題の推移が実に低調じゃないのかね、と思う次第。
口を酸っぱくして繰り返される「議論には時間が必要」「性急に結論を求めるべきでは無い」って意見も並行してはあるんだけども、近鉄が経営権を放り投げているのは紛う方無き事実なんで、今年に合併成立&来年度から新体制で運営−って流れはもはや既定なんでしょ。ていうか、事実上破綻している会社が翌年も運営していく事自体があり得ない話でね。その流れからすると遅い、と。




で、以前のログで触れたとおりワシの中での『近鉄バファローズ』は死んでいます。ただ、悲しいのは下のリンク中の数字。
【2004年大阪近鉄球団観客動員数(リンク元;僕らの大阪近鉄バファローズ様)】

合併問題が持ち上がった以降も数字に目立った動きが無く、例年どおりある意味“堅調に”平均2万人台を割り込む数字で推移している。これは、従来からのファン層の人種に依るところが大きいんでしょう。
大阪、もとい関西圏には大御所・阪神タイガースという球団がある。その球団を応援せずあえてバファローズを応援することの意義。大半は『マイノリティーである事への憧憬』を持った人間と括る事が出来ると思います。その憑代は『野武士』『破天荒』といったキーワード。その憧憬が『経営破綻』『球団消滅』といった即物的な事態を喉元に突きつけられて霧散した結果、憧れは思い出に昇華していく。まぁ美文で飾るのも面はゆいのでぶっちゃけていえば『応援する為の価値が無くなった』という所でしょうか。つまりは合併問題勃発→球場に足を運ぶ人は近鉄ファンには少ない、と。



『ファンだからこそ、今困っている現状を助けてやろうじゃ無いか!』って意見がすんごく青臭く聞こえるんですな。まぁ耳に痛い言葉であるには変わりないんですがね。破綻するのはそれなりに予感してたんですよ、大半の近鉄ファンは。古くは金村・村上・石井・野茂・阿波野などの生え抜き主力の放出。豊作な外国人資源ルートに頼り切った投手陣。しがらみを駆使して引っ張ってきた内匠、大島らを簡単に放出してしまう、補強戦略に対する考え方の甘さ。

こりゃぁ長続きせんな、と。

そんなんで、あくまでもサブカルチャー的なスタンスで近鉄バファローズと接していた人が多いと思うんです。少なくとも、今熱心に合併問題に取り組み、論議を交わしていらっしゃる『パ・リーグファン』の方々のそれでは無い。
確かに、ここで近鉄援助の為に大挙して球場に詰めかけて『近鉄再生』を強く願うのも一つです。ただし、この一つの流れをせき止めたとして、球界を取り巻く大きな奔流に対して何か一石を投じたと言えるのかどうか。甚だ疑問ではあります。

仮に『近鉄合併断固反対』に対するムーヴメントが社会現象になるまでに高まったとして、毎試合大阪ドームは4万人を超える客入りになったとします。ただしそれが近鉄の放漫経営是正に繋がるかと言えばこれは明確に『No』であるワケなんです。三つ子の魂百まで、とは申しますが近鉄球団をいじくり回した連中にとっては、売却前の一時金が入ったに過ぎない。閉店セールで多少利潤が出て『こんなことやったら、毎年合併騒動起こしたったらよかったなぁ!ガハハハハハ!!!』でチョンです。問題解決にはほど遠く、連中が新地でハシゴする店が一軒増えるだけでね。そういう観点からすれば、近鉄ファンが取るこの『徹底無視』というのが的を射ているんではないかと。『貴様らがオモチャにした球団は、こんなに愛されていないんですよ』というメッセージ。痛烈だとは思います。

1リーグ制、2リーグ維持については興味はありません。近鉄の居ないプロ野球には魅力半減だし、どちらを選択するにせよ『商品力』の無い企業は早晩落ちる。これは明白です。だったら商品価値を高める努力をするのが先だろうよ、と思う次第。ハード側がすでに腐ってるのは、議論を待たないと思う。
虎の威を借る熊、媒体に身をすり寄せて陳腐化したハマの球団、地元を意識するあまりに地元以外からは見向きもされなくなった中部・中国地区の球団。こりゃまぁどうしようも無いくらい負け組なワケでして。そんな中、最大の腐敗の元である読売の老害が一人でブン回して挙げ句『1対11』でも議案が通るような会議はもはや会議でない、という所まで球団運営を馬鹿にし続けた元凶がいちばん上に乗っかってる事自体がもう異常ですわな。放映権料1本が1億を下らない状態で、その1億の価値を貶めないように画策することがすでに話題の中心なんですよ。逆だろ、っつうのに。

その1億の中身が既に『1億の価値』を有してないから8000です、7500ですってんならまだしも、『1億は1億で不動なので、お前らもうちょっと努力してこの1億に更なる付加価値を提供しろよ』ってスタンスなのでもう駄目。
豚に喰わせる餌はもう無いのよ。