近鉄ファンの話を少々

ほぼ何年か振りに、駅売りのスポーツ新聞を買った。
競馬熱が高かった頃は、競馬エイトだのブックだのサイエンスだのを買ったり、自分の調子に合わせてサンスポに切り替えてみたりと忙しかったワケです。が、ロイスアンドロイス腸捻転悪化による死去、ナリタブライアンサイレンススズカ、最近ではジェイドロバリーの急逝といった、自身の思い入れ深い馬が次々に消えていくにつれて何だかのめり込むのが億劫に思え、以来あまりスポーツ新聞自体を手に取る事が少なくなっていた。
で、top記事は『近鉄 赤字40億』である。並の企業であれば即死してもおかしくない額であるが、関西老舗の私鉄で一時期はウハウハだった頃もあったので、何とか露命を繋いでる状態−といった所か。あのとき、変な商売気を出さずにノリブタをメッツに売り飛ばしていれば、出る金入る金を含めて多少は状況は違っていたのでは無いか。今更引き留めるのであれば、あのとき野茂やローズを死ぬ気で引き留めて欲しかった。
球団名売却(体の良い部分身売り)や消費者金融のスポンサー化など、負の営業努力にたゆみ無かった球団経営にいよいよ最後通牒が突きつけられたワケだ。

ご存じかも知れないが『近鉄バファローズ』は球団創設以来、唯一名前が残っている球団である。阪神タイガースは旧称;大阪野球倶楽部、巨人は大日本東京野球倶楽部として誕生している。近鉄は『近鉄パールズ』として発足した。以降近鉄バファロー近鉄バファローズと改称し、現在の大阪近鉄バファローズに至る。この間に、冠の『近鉄』が外れた事は一度としてなかった。

関西といえばやはり『阪神タイガース』で、甲子園で試合があった日は市民総出で縦縞のハッピ着て道頓堀を練り歩く、と思っている方もいるかも知れない。しかし阪神は所詮「兵庫県」がフランチャイズでありその点ではオリックスと同じである。真に「大阪府」に拠点を構\えているのは近鉄だけである事はあまり知られていない。68へぇぐらいは行くと思う。

よく阪神の応援団はマナーが悪いだの、口汚いだのと言う向きもあるがそんな方には是非、往年の藤井寺球場での一部始終をお見せしたいものだ。

大体、球場に来ているのは酔いどれサラリーマンが大半で、阪神応援団のように組織化されたモノでは無い。要は、アレがゲリラ化した状態と思って頂きたい。
メガホンなど嵩張るモノは持たず、大抵はビールを注いだ後の紙コップの底をくり抜いたモノを手にしている。出て来る言葉はひたすらに野次であり、味方チームの選手を労う言葉などついぞお目に掛かった事がない。その口汚い野次に、当時西武に在籍していた左腕の工藤などはマウンド上で帽子を投げつけて怒りを顕わにしたモノだ。やったプレーは、取らなければショートゴロだった当たりをみすみすグラブに当てて内野安打にしただけであるが、内野スタンドから浴びせられるのは人格を否定する程の罵声だった。多分工藤は「一本ヒットにしただけで、なんでココまで馬鹿にされなあかんねん! ワシの年収、お前ら全員の分ぐらいあるんやど!!」と思ったに違いない。標準語で。

反面、気さくで寂しがり屋で、他人の世話を焼かずには居れない人が集う場所。それが藤井寺球場であった。良くも悪くも、OSAKAの縮図であったようにも思う。赤字補填の為に、年間10億円を支払ってる大阪ドームから再び藤井寺フランチャイズを戻そうとする動きもあるそうで、結構\な事である。そういう事は聖域無くバンバンやって頂きたい。

太田房江はオリンピック誘致失敗で浮いた資金で、即刻近鉄を買収して府営球団とせよ。本体の大阪市が破綻しようとも、近隣のベッドタウン茨木市吹田市を合併して住民税で潤うようにすれば良い。近鉄は、そこまでしても保護するに値する、大阪府固有の財産であると断言する。












ワシだけだけど(笑)。