ポフェッショナルの話

どうやら会社で隣席に座ってるエラい人の親父さんが,某在京セ・リーグの監督経験者だったらしいと知った。
カミングアウトが喫煙所で唐突に,だったのでつい頓狂な声を上げてしまったが社内では結構知る人ぞ知る,ってな感じだった模様。なので知らない俺は知らない。
で,知らなかった事が意外だったらしく蕩々と経歴を語り始め,いちばん聞きたかった「監督人事を左右するヤクルト本社の意向って,某健康飲料販売委託*1おばさんのファン投票ってホントですか?」という肝心な疑問に答えを得られなかった。ガッデム。
さておき,オヤジさんから譲り受けた「プロの10ヶ条」なるものがあるらしくて,お前も上見て仕事していく気があるなら参考にせい,みたいな事を言われた。
いやすいません,ボクはセミプロなんで要りませんと返事したら力いっぱいスネてしまった。ノンプロと言えば良かったんだろうか。まったくエラい人の扱いは難しい。
で,せっかく貰ったものをネタにしないのもなんなので,転載してみる。

☆プロフェッショナルの哲学10ヶ条☆
第一条 プロはひたすら飽くことを知らず基本原則を繰返す。創造とは繰返しの中より生まれることを知っているからだ。
第二条 プロはマンネリの克服方法を知っている。マンネリは自分で脱するより他に方法がないことをそしてマンネリは自分に対する甘えから生まれることを知っている。
第三条 プロはもうこれで良いと言う限界を知らない。何故ならプロは見果てぬ夢を追い続けるロマンティストだから。
第四条 プロはどんな些細な事にも全力を奮って立ち向かう。
第五条 プロは最大の敵が自分自身であることを知っている。
第六条 プロには慣れは無い。常に初心である。初心を忘れ驕る時、堕落が始まる。
第七条 プロは常に勘を磨き続ける。
第八条 プロは理論武装を怠らない。
第九条 プロには休息がない。でもゆとりは充分にある。
第十条 プロは孤独である。誰の救けも期待しない。
(この末尾に本人直筆サイン)
(以上,原文ママ)

ちょっと第八条の部分が飲み込みにくかったけども「プロ選手である限り自分の行動は常に衆目の監視下にあるんだから,言い訳の立たん事すんな」と解釈した。

全体を通してみると,ボールを叩くかキーボードを叩くか,ボールを投げるか匙投げるかの違いはあれどプロっつうか仕事への取り組み姿勢ってのは共通だよな,という思いを強くした。どっちも同じく会社の看板背負ってサラリー貰ってる事には変わりはないんであって。
ただなんというかその,我々の日々の仕事にはそういった「ストイシズム」じみた事を求められる場面が極端に少ない,というのが大きな違いなんだと思う。逆に格闘技・球技に係わらずスポーツプロには,ひたむきさを求めがちなのかも知れない。周囲が。

常々,プロたるもの素行がどーだとかあーだとかは関係なくて,大麻吸っててもいい曲書ければいじゃん。女癖悪くったってそれらひっくるめて作品の肥やしになって,それが俺らの生活にひとしずくでも垂れてくれば儲けもんじゃね?という風に思ってたクチなんだけども,一般社会の規範たれ,純粋であれ,という事を求められる辺りに時代を感じたり逆に「ふーん,そういうもんなんかねぇ」と思ったりもした。
以上の内容を踏まえて「職人」と「プロ」ってのは一般用例として同義語なんだろうか?と気になった。これについてはもう少し深く考えてみたいと思う。全裸で。

なんにせよ,こんなご立派なオヤジさんを持ちながらも普段,ご大層なお題目を唸った直後に「でもそんなの関係ねえ!でもそんなの関係ねえ!!」とやるのは如何なものか。殴ってほしいのだろうか。


今宵は此処まで。

*1:ぼかしても解る,か。