人間の賞味期限

消費期限と賞味期限は意味が違うんですよ、というトリビアを出したかったんではなくて。
まぁ先般報道された仰木彬・前オリックス監督の訃報に際してタイトルのような事を考えておったんでありますな。
仰木監督が何をもってオリックス監督を引き受けられたのか。その本懐は果たして達せられたのか?という問いかけは当人が墓場まで持って行った謎であって、残された余人には知る術がない。
イタコ使って降ろしますか?というのもなんだか不謹慎だし、降霊術というものにワシは何だか良い印象が無いんですな。
昔、なにかの番組で『伴淳三郎の霊を降ろします』みたいな事をやってて、司会の『伴さん、伴さん聞こえますか?』との問いかけに対して霊媒師の口から出た第一声が『アジャパ』であった記憶を引きずってるのかも知れない。

閑話休題仰木監督の話。
よくワシが引き合いに出す言葉で

『ただ、まわりの奴ら、親とかみんな含めてだ、そいつらが俺をほんのちょっとでも必要としているからこそ、俺はいられるんじゃないかと思っている。
金物屋だってそうだ。誰かが、必要としているからこそ、金物屋でいられるんだ。この世に全く不必要なものなんてないと思ってる。
そんなものはいられるはずがないよ。そこにいること自体、誰かが必要と認めている。
必要でなくなったとたん、消されちまうんだ。そう思う。どうだろう?』
映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』より
王立宇宙軍?オネアミスの翼? [DVD]

というもの。
果たして『仰木彬』という記号体がもつ意味の全てが、この世の中から必要とされなくなってしまったその結果であるならば、これほど哀しい事はない。
しかし指揮采配、選手掌握術が喪われて哀しい、という気はあまりしないんですな、不思議と。

仰木+バファローズの組み合わせという物がもたらした結果というのは確かに計り知れないんですよ。万年最下位だったチームがいきなり常勝軍団に化けたんですから。
で、ファンの目からみた仰木采配、或いは仰木マジックというのはそりゃもうその戦々恐々度合いたるや長嶋カンピュータ采配にひけを取らない。
もう目立ちたいとしか思えない奇策、奇策のオンパレード。しかし、なぜかズバズバ決まる。そんな感じ。
なので『知将』というよりは『豪運采配』という方がしっくり来る。しかも、采配を振るうのがバファローズだったからこそ、そんな結果が出ていたんじゃぁなかろうかと。
事実、晩年のオリックスで振るった仰木マジックの的中率たるや、どうか。かつてイチローを抜擢した第一次政権に比べて、いささかその成果は地味に映る。
そういった部分、つまり『豪快な"引きの強さ"』的な部分が消えた仰木彬は、すでに仰木彬としての用を為さなくなってしまったから、舞台から降ろされてしまったのだろうか。
そうであれば、人智を越えた所にいるであろうバランス調節者を恨む他ない。
大切なものは、いつも失ってはじめて気づく───というのは漫画『ベルセルク』の一節だったか。ワシらに出来る事はただただご冥福を祈るばかりであります。合掌。


で、自分の『賞味期限』というのはどこにあるのか。
調べてみました。
携帯対応(動作確認はiモードのみ、という事ですがW31CAユーザーのワシは誤動作無しでした)なので皆さんレッツらチャレンジ。
>人気の賞味期限 約52歳まで。
>ほほぅ。けっこう人気が長続きします

いやいや、このキャラクターのまま還暦近くまで爆走するのは無理だから。
賞味期限が切れる頃には、逆に『ワシ』の一人称が実にシックリ来てたりして。

>肉体の賞味期限 31歳まで

うひょ。過ぎてた。

>心の賞味期限 約42歳まで
心の賞味期限が切れるとどういう状態になるのか、がいまいちピンと来ないんですが『心が若さを失う』と換言できるならば、この年齢くらいが妥当なのか。
つーかギャル系と、既にまともなコミュニケーションが保持出来なくなっている昨今、賞味期限切れてると思うんだが如何なものか。

>男としての賞味期限 約28歳

あ、この年齢の時に今の嫁と付き合ったんだわ。
うはwwwwテラカナシス


………っと。
因みに今回更新が年内最後となるっぽい。いいのか?こんなで。

今宵は此処まで。