『陋巷に在り』読了

ようやく読み終えた。
13巻一冊という意味で無く、全体を通してという意味でありますが。何しろ1巻に相当する文章が文藝春秋上で書かれたのが今から約12年前。恐らくワシが読み始めたのは図書館でのハードカバーだったのでそれよりかはもう少し遅れて読み始めていると思うんですが、それでも10年近い歳月が掛かっているワケです。いやぁ長かった。

読後所感としては、異端孔子伝という触れ込みではあるものの『孔子』という人物が一体どんな人だったのか、という部分に興味のある人には非常に参考になるのでは無いか。よく『異端──伝』というと本来のその対象人物の人となりなんかをまったく無視した、良く言えばSFであったり悪く言えば主人公の名前だけを借りた換骨奪胎小説だったりするワケですが、この小説は『孔子儒者であった』という仮定の話であり、それを史実になぞらえて検証していく─的な手法を取ってる非常に珍しい物語であります。なので突拍子もないくだりはさほど無いのですよ。

しかし、正直登場人物に対してあまり思い入れの無い小説をココまで長きに渡って読み続けた記憶は正直、ワシにはありませんでして。その理由が一体どこに所属しているのかイマイチ自分でも解りかねているんですよな。まぁボチボチ考えるとします。

陋巷に在り〈13〉魯の巻 (新潮文庫)

陋巷に在り〈13〉魯の巻 (新潮文庫)