吠える技術者

【青色LED訴訟、総額8億4000万円支払いで和解・東京高裁】

 昨年1月の一審・東京地裁判決が発明対価を約600億円と認定、請求通り200億円の支払いを命じ、訴訟の行方が注目されていた。一審が認定した発明対価の約100分の1ではあるが、発明対価を巡る訴訟で判決や和解により確定した企業の支払い金としては、日本国内では最高額で決着することになった。
 問題となったのは、中村氏が日亜在職中に発明し、同社が1990年に特許出願、97年に登録された青色LEDの製造技術。同氏は発明の報奨金として2万円を受け取ったが、2001年に特許の帰属と発明対価の支払いを求めて提訴した。

何ともビッグな話ですな。つか一審判決の『200億支払え』って所から『8億4,000万』なら払おうか、という気になるものなのか。ならんだろうなぁ。
ま、数字のデカさに驚いただけで特に何か感じ入る物があったワケでは無いんですが『青色REDって何色だよゲラゲラゲラ』っていうどうしようもないエントリになるのは避けたいので多少付記。

そもそも今の交通信号機は、この青色LEDが発明されたからこそ存在する──ってのは、地下鉄なんかの自動改札機を発明したのがDr.中松である事と同程度のトリビアなんでしょう。二十数年前までは赤と緑のダイオードの発明は済んでいたものの『青』が無いので、発色の制約が大きかった所に投じられたこの発明だそうですが、それに報奨金2万ってのは確かに幾ら何でも安すぎだろうと思う次第。
ただこの度の案件については『学術的基礎の構築』『製品化』がそれぞれ別の人物であった事や、実はそれより先に別の会社で製品化に成功していた、等と問題の焦点が非常に定まらないモノであったのは事実。だから企業側が『シブチンめ!』の誹りを一方的に被るのはちょっと違う気がするんですよな。
まぁ2万は流石に安いとは思うが(しつこい。

(8:31追記)
今朝、中村氏の会見を見たんだが甲高い声で『日本の司法は腐ってる!』とまくし立てていらっしゃった。腐敗、というよりは未熟なんでは無いかと思うんですがね。
国vs国民団体なんかではありがちなんですが企業vs一民間人の間での訴訟で200億ってのは先例が無いワケですよな。
まぁ司法取引的に『この辺りでシャンシャンにしましょうや』での8億ならば納得いかんのでしょうが、地方裁判所で出たかなり柔軟な判決が高等裁判所でも出るとは限らんし、まぁ8億で結審なら良い方なんでは。その辺りを含めての『腐ってる』発言ならばもっとトコトンまでやりゃぁいいんでは。200億か600億か知りませんが、取り敢えず一生は遊んで暮らせる金なワケだし。

で、上記の経緯については他山の石書評雑記さんが猛烈に詳しいエントリを挙げてらっしゃるので参考にされると良い。
因みに間違って上書きした為、先にご覧になった方にはここの追記の文章が違ってる事を指摘されるかも知れませんが、力いっぱい無視させて頂きます。