器の効果

http://education.guardian.co.uk/higher/sciences/story/0,12243,1164894,00.htm
↑これによると、神様の存在する確率は67%なんだそうです。神学と数学の接点を見いだしたこの研究者も凄いと思いますが、個人的にはこの確率、結構高めだなぁって思いました(笑)。

ただ、窪塚洋介の頭の中には100%の確率で神様が存在してるんじゃぁ無いだろうかと思う今日このごろです。最近の発言って全部といっていいほど電波ゆんゆん気配だし、共演者や司会者が必死で話題を変えようとしている所に被せて『大麻油で車が走るのをご存じですか?』『ヨーロッパの空いている土地の12%に大麻を植えれば、世界で消費する紙を賄える』『こういう効用がなぜ封印されているのか。大麻=麻薬というイメージが日本では強いが、アースデイの場で打開したい』って発言のオンパレードだったそうです。

まぁ世の婦女子には『クボヅカ君が言ってるんだから…』ってスタンスなんでしょうが、隣に座ってる同僚が突然こんな事を言い出したらもう、裸足で逃げます。今晩メシおごって貰える約束しててもキャンセルしちゃいますよ、うん(その程度か)。



少し前(オヤジ世代の“少し”は10年前後、と脳内換算して下さい)、作家の中島らもが著作『アマニタ・パンセリナ』*1の中で述べてたんですが、大麻覚醒剤なんかに比べると遙かに常習率が低く、寧ろ煙草よりも依存症発生率が低くてオランダなんかは日常的に販売されてるモノらしい。ワシなんかも、コソコソ隠しながら販売するから密売や何かの温床になっちまうワケで、それよか塩みたいに国が専売して管理すれば後ろ暗い側面が無くなって良いんじゃぁなかろうか…と思ってたクチなんですが。但し人体への影響が確実にあるものを、公の場でその公益性について蕩々と述べるこの危機意識の無さ。これも含めて『イマドキ』なんだったら、もうワシらは付いて行けませんなぁ。


閑話休題。前述の『アマニタ…』の中では、大麻以外にもブロン、LSD、ハシシュ、ハルシオン等の様々な薬物に対しての言及がありますが、大半の向精神薬ってのは古代シャーマニズムアニミズムに密接に繋がっていて、人為的に【非日常】の空間を作り出すアイテムとして使用されていたそうです。呪術の本なんかで術者がガマを口にくわえて踊り狂ってるのは、ガマから分泌される『ブフォニン』を経口摂取してる場面なんですね。別に、味わったり興奮のあまりついついガブリとやっちゃったワケでも無くて、明確な理由があっての事です。因みにこの『ブフォニン』、興奮促進の他に治癒促進効果もあるそうです。大道芸の『ガマの油売り』ってのはまさにコレの事らしいです。



話が横道にそれまくってます(笑)。



薬物に対する憧憬の根元は、なべて『非日常への羨望』に置き換えられるんでは。

その『非日常』へ片足を突っ込んだ人のうち、表現力の傑出して豊かな人はその様を音楽なり文字なりで表現する。常人がかいま見る事のかなわない世界を、溢れんばかりの才能で表現するんだからその作品はすばらしいモノになるのは当たり前の事ですよね。笑い話ですが、幻想的な水墨画を描かせたら天下一品のお坊さんがいらっしゃったそうで、周囲の皆は「徳の高いお坊さんだ、ありがたい」と口々にもてはやしてたんですが死後、寺の境内に一面のケシ畑が発見されたそうで。なんや、トびながら描いてたんかい…って(笑)。


アーティストに薬物依存者が多いのは、そういった非日常を見る、または見せる為の最終的手段として使用したのであって、決して興味本位では無かったんでしょう。マグワイアベン・ジョンソンステロイドに頼って自らの肉体に磨きをかけ続けたのも、人間がなし得る「より速く、より遠く」を実現せんが為だったと思います。勿論、その大きすぎる代償として彼らは今後の人生通じて、重い後遺症に悩ませられ続ける筈です。そういった裏面性をすっ飛ばして、公衆の面前で、影響力を持った人間が「大麻礼賛発言」すると云う事のだらしなさ。滑稽であり、馬鹿馬鹿しくもあり。



まぁアレですよ、この発言を真に受けて薬物の世界に足を突っ込んだヤツに対しては、発言者は死ぬまで面倒みてやるこった。



死ぬまでね。

*1:

アマニタ・パンセリナ

アマニタ・パンセリナ