ネタ日記風(ほぼ実話)

金曜の新年会。名古屋の営業所時代の先輩が東上してきていたんで、懐かしさのあまりに羽目を外してました。居酒屋2軒ハシゴの後、怪しげなイメクラに突撃してワシ7千円ボッシュート。先輩はオプション追加して合計1万2千円ボッシュート。チャラッチャラッチャー(効果音)。
ヌイてなお収まりのつかない二人は、そのまま新橋でのナンパに移行。此処で断っておきたいのはワシ・先輩共々既婚者であり、先輩に至っては2児の父である。こうはなりたくない。
両者、往年の煌めきを取り戻すが如く。怒濤の勢いで女子二人組に声を掛ける先輩に、ワシは援護射撃を打つガンキャノンが如く後方支援。サッカー日本代表ですら会得していないであろうアイコンタクトを難なくこなし、ひとしきり掴みネタ*1を路上で披露してかろうじてゲット。しかし1打数1安打は記憶に無いので少々焦るが、脳髄はそれに対応し切れずそのままワシらにとって3軒目となる居酒屋へ突入。ここで人生で2度目となる「関西弁を話す素人は基本的に寒い」「面白くない」という2連コンボを叩き込まれて少々凹むワシを尻目に、得意のモノマネ芸で確実に得点圏にランナーを進める先輩。『なにいっ!お、俺を踏み台にしたぁっ!?』という言葉が喉元まで出そうになるのを寸止めしたがアンタ、やっぱりニュータイプだよ。

その後『え、君ら司法書士事務所なん?俺らUFJ(大嘘)』『へぇ、仕事で根抵当とか付けてるんだ。俺らハナクソ付けていい?』とか、相手の意向と流れぶった切りの会話で異次元ゾーンへ誘うも、なかなか今回の敵は手強く巧みにガードを操る。新橋恐るべし。途中、一方の女の『学歴と寝る女』の自伝を拝聴し説教モードへと移行するワシに対して『可愛い、可愛い』を連発して完全に口説きモード発動の先輩。両極端な二人をあざ笑うかの様に、時間は十時を回りいよいよ成層圏突入の時期を迎える。

『これより最終作戦へと移行する。援護されたし!!』
『了解、援護重視に切り替えます。ご武運を!』
『頼む。しかし深追いは禁物だ、いざという時には証拠を残さず撤退する!!』

以上の会話を軽くアイコンタクトで済ませたものの、敵のドム二機は非常に堅牢であった。


『帰る足が無いから、タクシー代徴収していい?前金で。』


轟 沈 である。つか怒りの収め場所がない。
憤懣やるかたないワシとは対照的に、すでに手応えを掴んでいた先輩は『足代支出も止む無し。援護せよ!』と打信してきた。しかし前述の『寒い』発言に加えて足代徴収という前代未聞の恥辱的外交を受け入れるなど、じっちゃんの名に賭けてお断りである。この時点でドムからズゴックに格下げされた女二人は、我々の鉄壁のコンビネーションの分断に成功していた訳です。恐るべし、新橋。
ワシはヤル気モードの先輩に、晦渋の念を込めて打信した。

だが断る。この尉遅皇が最も好きな事のひとつは、自分でイケてると思ってるやつに「NO」と断ってやる事だ…!』

かくして、新橋の熱い夜は終わりを告げた。去りゆくズゴック二体の後ろ姿を眺めながら先輩はこう呟いた。


「あいつ、後ろから見るとすんげぇスタイル悪いのな。気づかなんだよ」




スペシャリストであった。

*1:名古屋では数限りなく披露して驚異のヒット率を記録した『最初はグー!』と『ラルフローレン・ポロ』である。